ニュース記事になりました。

皆さまいつも応援してくださり、本当にありがとうございます!

今日の南日本新聞に、私の活動が掲載されました。

鹿児島以外の皆さまにご説明させていただきますと、南日本新聞は鹿児島県で一番読まれている新聞です。
関東などの都市部で一番購読者数が多いのは、読売新聞でそれに次ぐのは朝日新聞ですが、地方では地方紙がこの二強を抜いてぶっちぎりにどの家庭でも読まれている、ということがあります。

鹿児島ではどの家庭も南日本新聞をとっています、といっても過言ではないほど、新聞購読者数のシェアは南日本新聞がダントツです。

私は千葉から移住した2011年当時は、千葉で読み親しんでいた読売新聞をとっていました。
しかしローカルなニュースやお知らせやコラムが南日本新聞のほうが圧倒的に多いんです。
対して読売新聞や朝日新聞は全国的な記事が多く、地方版ページは見開きの半分程度。
鹿児島の外には滅多に行かない鹿児島の田舎に住むと、南日本新聞の方が身近な地元ニュースがたくさん充実していて面白いことが、鹿児島に住むうちにわかってきました。

南日本新聞社は支局が鹿児島の各地方都市にあるので、ローカルなニュースに対する取材のスピードも早いです。
知人が新聞に出ることも普通にあり、鹿児島の人々の新聞に対するハードルは関東よりもかなり低いです。

今回ありがたいことにじっくり数時間かけて私の活動を取材してくださって、大きく掲載してくださいました。
便利な時代なので、ネットでも読むことができます。

南日本新聞社サイト373news.com
「消えゆく伝統農業と種を守りたい」…福島原発事故で父の故郷へ移住、食材をネット販売する社長の思い
よかったらぜひご覧ください!

関連してYahoo!ニュースもデビューしました( ^ω^ )/

新聞に掲載されると、地元の方々からも関心を持っていただけるので、本当に有り難いです。
残り23日。
皆さんの応援を胸に、いっそう頑張ります。

ご支援、本当にありがとうございます。

2024年 1月 8日 Blog | クラウドファンディング活動報告

地方都市の、切望する未来のために

まずはお礼を申し上げます。
皆様のご支援により、目標の60%を達成しました。
本当に本当に感謝しかありません。
ありがとうございます!!!!
残り25日です。応援を胸に、もっともっと頑張って参ります!!!

今回はちょっと難しい話です。すみません。

ここ20年くらいのあいだに、地方都市はどこへ行っても既視感すら感じるほど同じような風景になってしまいました。
大型ショッピングモール、ファストファッション店、ドライブスルー併設のファーストフード、ファミレス、コンビニ、大型電気店、大型書店、大型紳士服店、大型酒販店、大型スーパー、ディスカウント店、全国展開のお菓子屋さん、100円ショップ・・・。
ここ30年くらいの間でどこの地方都市の郊外の主幹道路に、こういった店舗が大型駐車場完備で同じように立ち並ぶようになりました。

同時にひっそりと、でも急速に消えていっていったのは昔からそこにあった小さな個人店。
個人店は大きな駐車場を持たず、お客と1対1のお互いに顔や様子がわかる、その土地に根付いた商売をしていました。

しかし新しくて華やかで便利なものに惹かれるように、人々は全国展開の大型店舗に通うようになりました。
個人店が立ち並ぶ商店街の多くは、みるみるうちにシャッター街になっていきました。

日本の景気もここ20年間ずっと下り坂で、消費税はじめ色々な税金も年々上がっていき、コロナ禍や物価高が追い打ちをかけ、人々の可処分所得が減り、便利で安価なものが主流になっていきました。
スマホの普及で情報や娯楽の多くが無料でスマホひとつですむようになり、電車の中で雑誌や新聞を読む人が消えました。
そうして雑誌がどんどん休刊に追い込まれ、新聞部数も急速に減りました。
世の中が不景気になるにつれて洋服のデザイナーズブランドの多くも消えました。
すると今度は、商店街をシャッター街にした原因であるデパートやスーパーが次々と地方都市から閉店していきました。

地方都市は今、シャッター商店街と廃墟のような大型店舗跡地が目立ち始めています。
個人商店街が活き活きとしていた一昔前なら、高齢者もなんとか地元で買い物ができていました。
しかしながら現在は、車を運転できない高齢者の買物困難問題が全国の地方都市の喫緊の課題となりつつあります。

これは、国が高度成長期に定めた都市計画法にも原因があるように思います。
都市計画法は用途地域の区分で、各地域の一番便利なところに『商業地域』や『近隣商業地域』という地域を指定しました。周囲の住民が銀行や飲食店に行ったり日用品などの買い物をする地域です。
なので駅前や街の中心部に『商店街』が形成されたのです。

しかしこの都市計画法は昭和43年に制定されたもの。
当時の高度経済期かつベビーブームな光り輝く日本と、大不況と高齢化社会まっしぐらな現在の日本とではあまりに状況が違います。
街の中心部や駅前は、高齢者にとっても便利なところ。そこがシャッター街になって、しかも後から進出してきた大型スーパーやデパートも撤退されて、一番便利なものがどんどん郊外にシフトしてしまった地方都市の衰退化を、今ここで踏ん張って食い止めてなんとか流れを変えていかないと取り返しのつかない未来が私達を待っています。

便利なものは、車を使うかネットショッピングでしか手に入らない地方都市。
地方都市には電車がないところも多く、頼りのバス会社も経営難と人手不足に直面しています。
車の運転やネットが使えない高齢者は、地方都市で生きていくのが困難になりつつあります。

実はここ鹿屋市も、街の中心部にあった唯一のデパートが閉店して、大きな店舗と大型駐車場がまるごと廃墟のようになって、風景を暗く変えてしまいました。

誰もがいずれ必ず高齢者になります。
歩いて買い物ができる昔ながらのお店や商店街の意義や価値を再確認すべきではないでしょうか。
地元のお店の魅力を再認識したり新しい魅力をUPしたりして地元経済を積極的に回すことこそが、持続可能な地域社会への第一歩だと思うのです。

実は農業も同じ構造です。
昔は地産地消が当たり前で、もっというと交通網が発達していない時代の地方都市は、おそらくどこも食料自給率100%だったのではないでしょうか。
でもどんどん大型農業に集約されてしまって、価格競争で輸入農産物に急速に切り替わっていきました。
いざ供給国が戦争や大災害に見舞われると原料クライシスに即陥ってしまう脆弱な国が日本だということ、もっというと日本自体が戦争に参加するようになれば飢餓がすぐ迫るのだということを、私たちはウクライナ戦争でまざまざと思い知らされました。
小さな地元の農業の意義を再確認し維持していくことが重要で、それが日本の食料自給率UPにつながり、いざという時の日本の命綱にもなります。

・・・もはや活動報告とは全くかけ離れていますね。
すみません!!

大型店や大規模農業や輸入品は便利で安価なので、ついつい私たちはそちらを利用しがち。
でもそれらは利益が出ないと即撤退していきます。
シャッター街と大型店舗の跡地と耕作放棄地が増えていく地元の未来。
そうなる前に、私たちは地元経済の持続化を真剣に考えていくべきだと思うのです。
地元で繋がれてきた小さな小豆に『かのや』を名前の一部にしたのは、そういう想いを込めています。

なんなら小豆だけでなく、小麦も、大豆も、蕎麦も、ごまも、そのほかの雑穀も、地元の農産物でつくった昔ながらの加工物が地元の経済をまわし、その地域の魅力を彩り特色づけていく。
そういう活動が全国各地で広まれば、地方都市が持続可能な経済になっていくのではないかと本気で思っています。

それが私の、切望する地方都市の未来です。
地元鹿児島のお店で、かのや姫小豆や鹿屋産農産物のお菓子やパンや惣菜が当たり前のように買える未来。
元気な鹿児島。元気な鹿屋市。
いずれ必ずやってくる超高齢化社会も、地方都市の経済が明るい未来であることを切望しています。

・・・話はちょっと脱線気味に拡がっちゃいますが、各地域の学校給食や病院食や介護施設などの団体食の材料を、もっと地元産オーガニックなものへと推進すれば、食料自給率や有機農業へのシフト化が革新的に進むことがわかっています。
ヨーロッパや韓国の給食のオーガニック化や千葉県いすみ市をはじめとした全国各地の給食のオーガニック化でどんどん実践されてそれが証明されてきています。
でもそれには給食や団体食への無償化や補助が欠かせません。
国や地方自治体が本腰入れて取り組まないとできません。

食料自給率UPと有機農業率UPは、どの事例も給食の無償化がセットになってはじめて成立していっております。
なので小豆計画は鹿屋市の給食のオーガニック化運動にも積極的に参加しています。
鹿屋市の給食がオーガニック化へとシフトすれば、ここ大隅半島の農業はガラリと変化することでしょう。
(鹿屋市の学校給食に、かのや姫小豆のお赤飯が出たらどんなにか幸せな出来事になるだろーなー)

有機農業は地球温暖化への食い止めにも役に立つと言われていますが、こういう話をしていると私は止まらなくなるので、ここでは割愛します。

偉そうに理想論を振りかざしてしまいました・・・・。
しかしそんなこと言う前に・・・・・小豆計画が本当に本当に今まさに大ピーンチです!!!!!

今日、生産者さんのお一人から報告を受けました。
「1町1反ほど栽培してほぼ全部うまくいったので、今年は1800kgできそうです!」
わあすごい!・・・ということはえーと、900円/kgだとして160万円が必要ですね!!!涙!!!
まさに文字通り嬉しい悲鳴ですが、なんとしてもこのクラファン挑戦を絶対に成功させねばなりません。

どうか変わらぬ応援と、そしてできれば周囲にお知らせして拡散もお願い頂けないでしょうか。
無理を承知で、この無謀な大馬鹿者にご支援を、どうかお願いします!!!
ご支援を裏切ることなく、必ずやり遂げます!!

株式会社かごしまんま
山下理江

2024年 1月 7日 Blog | クラウドファンディング活動報告

【MBCラジオおおすみーてぃんぐ】に出演します!

本日、ローカルラジオ出演します。
1/4(木) 17:15〜 MBCラジオおおすみーてぃんぐ
鹿児島の方、ぜひ聴いてください。

\TVラジオ取材の様子も活動報告UP‼️/
ぜひクラファンの応援もお願いします‼️

1/12(金) 15:49〜 MBCテレビ かごしま4
も出演予定です。

クラウドファンディング【鹿児島の地小豆を復活させて、地元農業とスイーツを盛り上げたい!】

2024年 1月 4日 Blog | 小豆計画

TVラジオ新聞いっぺんに取材来た年末DAYS

このたびの震災に遭われた皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
1日も早く日常を取り戻せますように。同じ空の下、お祈りします。

元旦からの痛ましいニュースの連続に、2011年の震災当時と重なります。
いま自分に何ができるか何をすべきか。
こんな大変なときにクラファンのご支援をお願いするのは不謹慎ではないのか。
色々なことが頭の中を駆け巡ります。

今も昨日のことのように感じられる2011年3月。
それまでの人生とは全く違った、人生の羅針盤の指す方角を大きく変えたのも震災でした。
それがなければ、今ここで小豆計画をなんとかカタチにしようともがいている自分はいませんでした。

手をグッと握って被災地を祈りながら、前に進もうと思います。
石川頑張れ!富山頑張れ!新潟頑張れ!頑張れ日本!
この国難を、みんなで乗り越えよう!

ーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーー

ここからは活動報告をさせて頂きます。

日常食材通販であるかごしまんまは、1年で一番忙しいのが年末です。
クリスマス商品も正月商品もあるので、ご注文が集中するのです。
そのめちゃくちゃ忙しい最終週に、取材がTV・ラジオ・新聞といっぺんに来たからさあ大変!
まあ、なんとか乗り切れました。

TV取材してくださったのはMBC南日本放送のかごしま4という番組です。
畑での小豆収穫や製餡の様子をご案内したり質問にお答えしたりしました。


リポーターの宮内ありささん。めちゃめちゃ明るくて笑顔がフルスロットル

リポーターの宮内ありささんはとても明るくて、カメラを向けるといつもフルスロットルな笑顔になるのが印象的でした。


どの写真も笑顔がフルスロットル

対照的に、カメラマンの古江さんはいつもポーカーフェイスでボソボソ小声で話すのですが、真面目な表情なのに頭の中では常に笑いのツボとオチを探求されている方でした。


カメラマンの古江さん。いつも面白いことを考えています。

底抜けに明るい宮内さんと、常にポーカーフェイスでボケをかますお二人の会話はまるで息のピッタリ合った漫才のようで取材はとても楽しかったです。

二人とも撮影に入ると真剣・集中モードになって、さすがプロフェッショナルだなーと感心しました。


撮影前の打ち合わせは真剣な表情


収穫風景をカメラで撮影していました

この生産者さんは去年に続いて2回目の小豆生産なので、慣れた手つきでの収穫作業が超カッコいいんです。


製餡も最初から最後までずっと撮影されていました

製餡も豆洗いから袋詰めまで全部撮影されました。
どの工程も和菓子屋さんが観たら、ド素人だと思うに違いありません・・・・ホントすみません!


この日の製餡は、かごしまんま通販の最終出荷のおまけづくりでした

しかもおまけ用の小さい袋に充填するのは初めてなので、さらに手際が悪く、ちょっと恥ずかしいくらいでした・・・。
TVを見られる皆さん、どうぞ温かい目で見守ってください。

TVの取材と同時進行で、隙間時間にラジオおおすみーてぃんぐの取材収録もしました。
これがなぜだかTVよりもめちゃくちゃ緊張してしまい、頭が真っ白になり、伝えたいことの半分も言えませんでした。

緊張で頭が真っ白、目もうつろww

ラジオ収録は、マジで呆然とした顔してますねwwww

1日中ずっと取材してくださり、本当に貴重な体験をさせて頂きました。
ありがとうございました。


カメラマン古江氏による撮影


取材を終えてリラックス。こちらも古江さんの撮影

【放映日時】
1/4(木) 17:15〜 MBCラジオおおすみーてぃんぐ
1/12(金) 15:49〜 MBCテレビ かごしま4

よかったらぜひ観てください!
ありのままの激アツな小豆計画の様子がお伝えできれば、と思っています。
新聞掲載日はまだ未定です。南日本新聞です。

最後にもう一度。
石川頑張れ!
富山頑張れ!
新潟頑張れ!
頑張れニッポン!

2024年 1月 3日 Blog | クラウドファンディング活動報告

ハートブレイク年内最終DAY

今年もあっという間に紅白歌合戦タイムになってしまいました。
年内最終DAYSは超忙しい中に、TVや新聞の取材と悶絶ハートブレイク事件が勃発。

大晦日の今日は、まず悶絶ハートブレイク事件を報告しようと思います。

いつも私に自然栽培を通り越して放置栽培的な農業を教えてくれる井之上さん。
農薬や化学肥料を使わない農業をかれこれ40年ほどやっていて、
台風や大雨で野菜がどんなにやられても「自然のもんやから仕方ないんや」とおおらか。
マイペンライとかケセラセラとかテゲテゲというワードがピッタシ似合う井之上さん。

かごしまんまの野菜セットにも毎週野菜を入れてくれます。
夏はゴーヤとカボチャ、冬はジャガイモと玉ねぎ、わさび菜に春菊・・・。
自然栽培の旬野菜の美味しさを教えてくれたのも井之上さん。
井之上さんはかごしまんまにとってなくてはならない人です。


草ボウボウの中をかき分けて「ほら!ここにカボチャがあるんや」と見せてくれる井之上さん

小豆計画にも大納言栽培から参加してくださっています。
大納言栽培に大失敗したときもいつもどおりおおらかで、そのマイペンライさがいつも私にとってどんなにか救いになったことか。

・・・と、前振りが長かったですが、そうです、今回の悶絶ハートブレイクな原因の一つは井之上さんです。

12月は収穫期。
井之上さんの納屋に預かってもらっていた脱穀機『まめっこ』が、1年の時を経ていよいよ大活躍のときを迎えようとしていました。
まめっこは2台。
1台は電気モーター式で、もう1台はガソリンエンジン式です。

井之上さんから「電気モーターのまめっこをちょっと動かしてみていい?」と電話がありました。
「もちろん、いいですよー使ってみてください!」

そして10分後。また井之上さんから着信が。やな予感です。
電話の向こうから井之上さんが
「まめっこのモーターが火を吹いて止まってしもた・・・」

どうして!なんで?

「200Vコンセントに挿したら、大丈夫かと思ったんやが、火を吹いた」

当たり前ですっ!!!!!!
いくらなんでもマイペンライ(鹿児島語訳:テゲテゲ)が過ぎます、井之上さんーっ!!!


盛大に火を噴かせたらしい跡が、付着したススからもわかるまめっこ

それから数日もしないある日、もう1台のエンジン式まめっこを使っていた別の生産者さんから返却したいと連絡があって、私はその到着を待っていました。

するとその生産者さんから電話が。
またまた嫌な予感がします。

「ごめん・・・。前の車が急にスピード上げたからついつられてスピード上げちゃって、気持ちよくカーブ曲がったらまめっこが落っこちちゃった・・・」

ええっ!!?

えええええっっ!!!???

えええええええーーーーっっっ!!!!!?????


軽トラの荷台から派手に落下して、ありえない方向に曲がってしまった両輪タイヤ


別の角度から見た全身ボコボコで満身創痍なまめっこ

2台しかない脱穀機まめっこが、2台とも修理屋さん行きとなってしまいました。

立て続けに脱穀機のお釈迦を報告した修理屋さんにも
「また、かごしまんまさんですかーーー」
と呆れられました。


修理に出されるまめっこ

幸いにも修理屋さんに電気モーターの在庫があったので、次の日には電気式の豆っこだけ帰還してきました。


ピカピカの電気モーターになって帰還したまめっこちゃん

ときは12月28日。既に脱穀機メーカーも年末年始に入り、見積りが取れません。
エンジン式まめっこの修理は正月明けに持ち越されました。

収穫期真っ只中なのに、脱穀機が1台しかなくなってしまいました。

小豆計画のために買った脱穀機2台が、収穫真っ只中に2台ともダメになってしまう悶絶ハートブレイクな年末。
次の日は通販事業の最終出荷日という最悪なタイミングでした。

朝っぱらから大切な植木鉢を2つも割るわ、急な納品キャンセルがあるわ、脱穀機はダメになるわで、スタッフにも「これはもう・・・お祓いに行った方がいいレベルですね」と言われる始末。

泣きたい気持ちをなんとか切り替えてやり抜くしかありません。

最終出荷分には、全員にかのや姫小豆の粒あんを小さな袋に入れてオマケとしてプレゼントすることにしていたので、それを見ると癒されて頑張れました。

最終出荷のお客さん全員にプレゼントした粒あん

かごしまんまにご注文してくださるお客さんは、ご注文と共にメッセージをくださる方が多いです。
出荷前日の夜は自宅に納品書を持ち帰り、文通のようにお返事を納品書に手書きしていきます。
最終出荷はご注文が一年で一番多く、メッセージへのお返事作業も深夜までかかります。
それは私にとってとても幸せな時間です。
たくさんのお客さんと心の通った文通を続けることで、今日までかごしまんまを続けるモチベーションを強く持ち続けることができました。
今回のメッセージの多くは「小豆計画頑張れ!応援しています!」的な内容が多く、悶絶ハートブレイクだった心が、メッセージ書きをしていくとどんどん明るい気分になるのを感じました。

そしてやや寝不足で迎えた最終出荷日。
9時からずーっと出荷作業をして17時のヤマト運輸さんの集荷時間ギリギリまで作業がかかってしまいましたが、なんとか無事に全てのご注文を集荷に載せることができました。


集荷してくださるドライバーさん

大晦日の23時45分現在。
除夜の鐘の様子をTVが映し出しています。
お客さんからもヤマト運輸さんからも何も事故の連絡がない、静かな時間を過ごせています。

無事にかごしまんまからの食材が届きましたでしょうか。
今日も皆さんの食卓と冷蔵庫が、幸せと安心でいっぱいになりますように。
同じ空の下、心から願っています。

皆さんご支援、本当にありがとうございます。
活動報告がここ数日途切れてしまい、ご心配おかけしてすみません。
阿鼻叫喚、修羅場ンバだった年末をなんとか乗り越えらたので、これからのクラファン後半戦、気合い入れ直して頑張って参ります!
どうぞ皆さん、引き続きの応援をよろしくお願いします!!!

元旦の明日は、先日のTV取材の様子をご報告させていただく予定です。
2023年もあと15分切ってしまいましたが、どうぞ良い年をお迎えください。

かごしまんま
山下理江

2023年 12月 31日 Blog | クラウドファンディング活動報告

【御礼】目標金額の50%に達しました。本当にありがとうございます!!

クラファン挑戦して15日目。
皆様の温かいご支援おひとつおひとつのおかげで、既に目標金額の53%を達成しました。

本当に、本当に、ありがとうございます。
ひとりひとりのご支援が、お気持ちが、有り難くて、尊くて、ご支援を頂くごとに涙が出てしまいます。

応援の声を頂くたびに、勇気と決意と覚悟を強固にさせて頂いております。
幸せで、かつ、このプロジェクトへの責任を痛感する毎日。
この日々を私は一生、忘れません。
心から、ありがとうございます。

綺麗で均一でしかも安いものが簡単に手に入る時代。
北海道産や中国産の小豆でいいじゃない?
なぜわざわざ九州で小豆生産を始めるの?
なぜ大変なことをやろうとしているの?
よく言われてきました。

たしかに私も最初はただ、『九州産』『安心なもの』にこだわっていただけでした。

でも色々失敗したり経験したり調べたりしていくうちに、昔から大切に繋がれてきた在来種が各地にあったこと、現在の経済や時代の大きな流れの中でその多くが消滅したり風前の灯であるということ、そしてそれが地域農業や地域経済の衰退化とリンクした大きな危機であることがわかってきました。

流通の発達とともに安くて均一な農産物が台頭し、季節問わず一年中いろいろな野菜が手に入るようになって、在来種の生産がひっそりと消えていってます。
コンビニや大手企業のチェーン店がどの地方にもくまなく進出し、24時間便利に安いものが手に入るようになって、昔ながらのお店が急速に消えていってます。

でも綺麗で均一で便利で安いものには、必ずコスト減のための理由があり、そこには農薬や遺伝子組み換え原料や添加物の知られざる実態があることを、かごしまんまという食品小売通販をやっていくなかでたくさん学んできました。

忙しい私たちには便利で安いものが必要なときもたくさんあります。
でもそればかり選び続けて、気づいた時には昔ながらの良いものがみんな消えてしまった、という世の中になっていいのでしょうか。

地域の在来種が絶えてしまうその前に、地域の良いものをつくるお店が消えてしまうその前に、なんとしても在来種小豆の生産を復活させたいです!
そしてその小さな一歩こそが、やがて他の在来種農産物の復活や地域の持続的経済の好循環にも繋がると確信しています。

どうか皆様、この挑戦にお力をお貸しください。
お近くの方に、小豆計画がしようとしていること、在来種の大切さ、持続可能な地域経済への想いを、お伝えいただけないでしょうか。

深い感謝の気持ちとともに、心からお願い申し上げます。

株式会社かごしまんま
代表取締役 山下理江

2023年 12月 26日 Blog | クラウドファンディング活動報告

12年間、探し続けてきたもの

かごしまんまは2011年12月に、九州産の安心安全な日常食材と野菜のインターネット通販として設立した会社です。
それから私はずっと12年間『九州産』に特化して、なるべく添加物や農薬をなるべく使わない日常食材と野菜を探してかごしまんまの取扱商品にし続けてきました。

『九州産』と『なるべく添加物や農薬を使わないもの』にこだわっていくと、それまで見えなかったもの浮き彫りになりました。

それは、加工品の原材料表示を見ても、消費者が知りたい情報が書かれていないこと。

例えば、化学調味料に関する表示。
化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)とは書かれず、『アミノ酸』と記載されているだけです。
知らない人は人間の身体を構成するアミノ酸と同じイメージを持ってしまいます。

例えば、遺伝子組み換え原料に関する表示。
主原料が遺伝子組み換えでないものであっても、副原料や二次原料には遺伝子組み換え由来の原料がたくさんあること。それゆえ日本は世界一の遺伝子組み換え消費大国であること。

例えば、納豆やふりかけ。
主原料が九州産の大豆や鰹節であっても、そのタレや調味料に使用する醤油を調べると、原材料である大豆のほとんどが『遺伝子組み換え不分別』つまり『遺伝子組み換えである』でした。

例えばポテトチップスなどのお菓子。
主原料が国産じゃが芋であっても、植物油の原料を調べると遺伝子組み換え作物です。

つまり、子供達が大好きな納豆のタレやふりかけやお菓子のほとんどに、遺伝子組み換え原料が使われています。

これは商品のどこにも表示されてはおらず、消費者は知ることができません。

日本では、二次原料や三次原料に使用する遺伝子組み換え原料の遺伝子組み換えであるかどうかの表示は不要で、さらになぜか醤油や油の原料が遺伝子組み換え原料であるか否かを記載しないでよい、というルールがあります。
醤油や油になると、最新の技術によっても遺伝子組み換え遺伝子が検出できないから、だそうです。

『日本では』と記載したのは、他の国々では記載の義務があるところが多いからです。
もっと言うと、諸外国では遺伝子組み換え原料に対して厳しい規制をしているところが多く、逆に日本では表示法が改定されるたびにどんどん消費者にわかりにくくしていっています。
現在では『遺伝子組み換えではない』の表示は『分別生産流通管理済み』という表示に切り替わりました。
もう何を意味しているのか、わからないですね。
そもそも二次原料は何を使っているのか表示もないのでわかりません。

しかし取引の際、メーカーに依頼すると出してくれる『商品規格書』には商品の二次原料・三次原料まで産地や遺伝子組み換え原料か否かが詳細に記載されています。
これこそ、消費者が本当に知りたい情報なのではないでしょうか。

なので一昨年前まではかごしまんまの商品ページには、メーカー協力のもと原材料表示を二次原料まで遺伝子組み換え有無の記載や産地記載をしていました。
当時は日本一原材料表示が詳しい通販と自負していました。

しかし国の表示法の度重なる改定に、それを廃止せざるを得ませんでした。

食の安全を考えると、無添加、無農薬をとことん追求することになります。
でも完全無添加食材や完全無農薬野菜だけを集めたお店づくりをすると、日常的な食材や野菜がほとんど消えてしまいます。
そして非常に高額な商品ばかりになってしまいます。

そうではなく、『完全な無添加無農薬ではないけれど、かごしまんまなら比較的安心な日常野菜や日常食材のほとんどがワンストップで揃うよね』を目指しました。


九州産原料の商品


アミノ酸不使用(化学調味料不使用)の商品の数々

野菜もなるべく農薬を使わないものを揃えます

地元中心の有機野菜の数々(鹿児島ではつくられないレンコンは佐賀産)


やごろう豚は甘みと旨みが美味しい豚肉です

全飼育期間において抗生物質・合成抗菌剤を使用していない『南国元気鶏』や、亜硝酸塩やアミノ酸(化学調味料)を使わない無塩せきウインナーを、12年かけて少しづつ商品に揃えてきました。


九州産の無添加や無塩せきのウインナー


パン類やシュトーレンは全て九州産小麦100%

輸入小麦だとグリホサートなどの残留農薬が心配なパンやシュトーレンも、『九州産小麦、九州産バター、九州産牛乳使用』のかごしまんまオリジナルパンとして鹿屋市内のパン屋さんに毎回つくってもらっています。

これは、かごしまんまシュトーレンの原材料表示です↓

10年間ずっと大人気、シュトーレンの材料。できる限り九州産原料・無添加で作り上げます

クリスマスの手作りケーキセットも10年間、変わらぬ人気です。
かごしまんまでは野菜や色々な食材と共にケーキを同梱しなければならないため、クリスマスケーキは『手作りケーキセット』として、ご自宅でケーキづくりを楽しんでいただけるように、スポンジケーキと生クリームとイチゴのセットにして販売しています。
もちろんスポンジケーキは九州産小麦でつくります。
しかも自然栽培の小麦です。


完成形のクリスマスケーキは冷蔵便だと崩れてしまって送れないため、手作りキットとして12年間販売しています

普通のスポンジケーキよりやや色が濃いのは、粗糖を使っているから。
上白糖は精製時に加工助剤を使用するので、かごしまんまのオリジナル加工品には粗糖を使用するようにしています。
生クリームがバカでかいといつも言われますが、九州産の無添加生クリームは、業務用1Lタイプしかないんです。
ケーキ作りで余った生クリームはアイスクリーム作りや冷凍ホイップにして楽しむお客さんが多いです。

他にも色々な商品がありますが、紹介しきれません。
これらを商品ラインナップにしてきた10年間でしたが、どうしても欲しいのに商品化が叶えられなかったものがありました。

それが『九州産小豆のあんぱん』でした。

調べてみると、日本国内での小豆生産は90%以上が北海道産。
九州では小豆生産が熊本や大分でごく少量しかなく、市場にはほとんど出回っていません。

パン屋さんの不動のレギュラーであるあんぱん。
子供からお年寄りまで、流行関係なく日本人に愛されるあんこ。
九州産小豆と九州産小麦のあんぱんを実現させたい。
でも九州産小豆がない。
九州産の小豆がないなら生産するしかない。
どうせやるなら農薬を使わない小豆を生産したい。
その小豆でつくるあんこも、どうせなら無添加で安心なあんこにしたい。
九州産、無添加、無農薬を目指して通販を長年運営していくなかで、強く思うようになっていきました。

その後のいきさつは、概要のとおりです。

今年はいよいよ2回目の収穫期を迎えます。
製餡所に機械類も導入し、自分の思い描く粒あんが作れるようにもなりました。

そしてずっとずっと夢だったオール九州産原料のあんぱんが、完成しました。


九州産小豆の粒あんを九州産小麦の生地で包んだ、九州産づくしのあんぱん

何回も何回もパン工房マロンさんが試作して作り上げたオリジナルあんぱん。
初めてこのあんぱんを食べた時には涙が出ました。
ただ『九州産』というだけでなく、ちゃんと『美味しい!!安心!!』という完成形にしてくださったマロンさん。

あのときの、感動は忘れません。
そして12年心待ちにしてくださっていた、かごしまんまのお客さんにもただただ感謝です。

2023年 12月 24日 Blog | クラウドファンディング活動報告

今日の生産者さん

12月は小豆の収穫期です。

収穫→脱穀(鞘に入っている小豆を取り出す作業)→水洗い→天日干し

収穫期は工程が多く、生産者さんも戸惑うことが多いので、
今日は各生産者さんのところまで行ってみました。

酒井さん。
全て無農薬栽培で野菜をつくっています。

「収穫してそこに干してあるのよ」

「あれが小豆よ。収穫して全部ここで干している。今年はコンバインで脱穀してみる。」
去年は畑でカラッカラに乾燥させてから収穫して、その時に一部の鞘がはじけたのがとても嫌だったそうで、
今年は早めの収穫をして、収穫後にカラッカラに乾燥させる戦法をとりました。


「これ、ぜーんぶ小豆よ。カラッカラになったから脱穀しようと思って」

「他の野菜も色々見てってよ!」
とにかく野菜作りが好きな酒井さん。
いつも私に畑の様子を色々見せてくれます。


「ここは水菜を植えてるの!」と言う酒井さんの後ろで蠢くのはニワトリ

「ここは先週かごしまんまに納品するはずだった水菜畑よ。インフルエンザになっちゃって全部パアよ!」

ん?

酒井さん、後ろにニワトリいないっすか?しかも全部雄鳥?
卵食べられないじゃないすか?


生後1年目くらいの雄鶏が自由に畑を歩いています

「あー、そのニワトリね、全部もらったの!正月に食べるんだよ、楽しみなのフフフ」

・・・・。

卵を食べるのではなく、そのものを食べるんですね。


とびきりな笑顔で「水菜、食べなさいね」

「出荷できなかったので大きくなっちゃったけど、鍋とかに入れて食べると美味しいのよ、持ってって!」
と水菜をたくさん頂きました。


「これは小ネギじゃなくてワケギ」


ニラ。酒井さんちの野菜は草ぼうぼう畑。

酒井さんちの畑は草が多い。
草と共存することで自然な生態系ができていて、野菜自体もたくましく濃い味になる。
酒井さんの畑、大好きです。


酒井さんちの軒下は干し大根づくりの真っ最中

他にも春菊や大和芋、にんじん、大根など色々な冬野菜を見せていただきました。
見せてくれた野菜はもちろん、台所で作っていた煮物までジップロック袋に入れてくれて、たくさんお土産にいただいて帰りました。


たくさんお土産をいただくのも田舎のあったかさ


酒井さん手作りの煮物

酒井さんがつくった煮物は美味しいだけではなく、優しくて懐かしい味がしました。

齋藤さん

齋藤さんは北海道から去年引っ越してきました

齋藤さんはもともと北海道で農業されていたので、農業機械にとても詳しいです。
「鹿屋に来て、いま何を主につくってらっしゃいますか?」
と聞いてみたところ、即答で
「ブロッコリーと小豆!」
ありがとうございます!!!


庭先で小豆の天日干し作業をやっていました。

ちょうど小豆を脱穀して水洗いして天日干し、という作業をやっているところでした。
「熊手を逆さにする使い方、これいいよ、小豆の天地返しに。他の人にも教えてあげて!」
ブロッコリーをたくさん頂きました。

樋脇さん。

「こんなおじいちゃんでいいのかい?」と照れながら撮らせてくれました

樋脇さんは、今年が初めて。
小豆を干している最中に雨が降ったらいけないと思って、ビニールハウスの中で小豆を干していました。
数日間かけてもなかなか乾かなくて苦戦していました。


昔ながらの、ゴザに小豆を広げて干していました

「天日干しだとこの時期でも1日とか2日で乾燥します。天日干しの方が早く乾くかもしれないですね」と樋脇さんにお伝えして、天日干ししてもらうことになりました。
あと小豆がかなり重なり合っているのも乾かない原因の一つだと思われました。
そこで、もう少し薄ーく伸ばして干してもらうことにしました。
どうか、小豆がカラッと乾いてくれますように。

樋脇さんからも里芋を頂きました。

井之上さんは、留守でした。
しかし小豆がゴザに敷いてありました。

井之上さんは水洗いの前にゴザに干していました

水洗いしたら取れるはずの大きなゴミがたくさんあるので、これから洗うのかな?というところでしょうか。
とりあえず写真だけ撮りました

生産者さんのところに行くと、たくさん野菜をもらって帰ることは日常です。
田舎のこんなあったかさが、私は大好きです。

2023年 12月 23日 Blog | クラウドファンディング活動報告

火曜日は製餡DAY

火曜日は製餡してます。
四六時中ゴーッという音の中で作業しているので、気がつけばスマホの着信履歴が鬼です。

そんな火曜日はみんなで楽しみにしているものがあります。
それは小豆汁。・・・・もちろんあんこの味見もです(^^)

今日の様子でご紹介した自動豆煮機の『ニュー豆煮くん』。
彼がけたたましいほどの爆音で、ブーッ!!!!!と豆が煮上がったことをお知らせしたら、
農家メシならぬ製餡メシ、いや製餡スープです。


ニュー豆煮くんが、いい煮豆といい煮汁をつくってくれます

これがまたお昼どきなので、みんな味覚が研ぎ澄まされているので、細かい味もよくわかります。
塩味(えんみ)があって、豆の濃い風味と旨味が、熱々の喉越しで滑るように胃に流れ込み、瞬時に全身をポカポカさせてしまう、神様からの優しいギフトです。

近年の研究で、この小豆の煮汁にとても栄養があることがわかってきました。
水溶性食物繊維やミネラルが豊富で、特に小豆ポリフェノールは人において食後の血糖値の上昇抑制効果があることがわかりました。

参考) 国立研究開発法人農研機構 小豆ポリフェノールの生理調節機能とその変動要因より

小豆計画では、粒あんにも小豆の栄養成分やミネラルをできるだけ残したいので、渋きりは1回のみ。
沸騰したらすぐに煮汁を捨てるだけの軽ーい渋きりです。
それなのにこの煮汁からは渋みやアクを感じません。

かのや姫小豆は濃い味わいなのに渋みがあまりないのが特徴なようです。
知れば知るほど、この小豆の魅力にハマっています。

製餡スープ後の、製餡所の様子↓

右側の銅釜は餡を練っています。左奥にいるスタッフは何をしているのでしょうか

↓↓↓↓↓
奥のスタッフをズームイン。

小豆の選別作業でした。

月曜日がまた雨で小豆の選別が全くはかどらなかったので、餡練り機を見守りながら隅っこで選別作業もしているのでした。
小豆の選別作業は、暗い色なので選別機のカメラの眼も正確なところまでは選別できず、雨の日には人間の目も見えずらくなり、時間がかかります。

この選別作業の効率化が、小豆計画の喫緊の課題であります。

2023年 12月 20日 Blog | クラウドファンディング活動報告

ここくさん

クラファン挑戦直前の11月にあった『オーガニックフェスタかごしま』。
『おおすみ百姓の森』の一員として私は出店していました。

休憩時間にぐるっと会場内を見て回っていたときふと、『ここく』さんのブースに目が止まりました。
在来種の極小な大豆や麦を自然栽培でつくってそれを味噌などの加工品にしている、との説明を受けました。

「私も在来種の小豆の復活生産して粒あんつくってます!」と私が言うと、
店主の加藤さんはとても嬉しそうに「大変ですよねー、でもすごくいいですね!」と言ってくれました。

嬉しくて話し込んでいるうちに「実はクラファンに来月から挑戦するんです、不安で・・・」と気持ちを打ち明けたところ、加藤さんから驚きの返答が!!
「実はちょうど去年の12月、僕もクラファン挑戦しました」
えっ!?本当に?!どこで?いくら?
矢継ぎ早に質問してしまいました。

なんとレディーフォーでプロジェクト名『先人からの贈り物、古代からの貴重な大豆をこどもたちへ』で1,000万円のコンバインを買う挑戦をして見事達成したとのことでした。
https://readyfor.jp/projects/53490

「めちゃくちゃ大変ですが、絶対に達成できますよ。頑張って!!」と加藤さん。
私は瞬間、涙腺が緩んでしまいましたがキュッと締め直し、頑張って笑顔をつくって握手してもらい、元気と勇気をいただいて帰りました。

後日、加藤さんのプロジェクト概要とその活動報告の全てを読んでみました。
プロジェクトの内容と加藤さんのたどった歴史が、自分のしてきたことといくつも共通点があって、でも自分なんかよりずっと加藤さんは大変なことをしてきていて、それはそれは壮絶な日々なのでした。
自分のちっぽけさと俗物さに、ガーンと石で殴られたような気持ちになりました。

ここまでの覚悟が私にあっただろうか。
もっともっと、自分がしてきたことをわかりやすく伝わるようなプロジェクト概要にしなければいけない。
自分のプロジェクト概要のつくり込みがほぼ完成だったのですが、レディーフォーの担当さんにお願いして、公開日を遅らせて、大幅に変更修正しなおしました。

そして、近いうちここくさんを訪ねてみよう、と心に固く誓っていました。
とはいえうちも一年で一番忙しい12月。
なかなか行けない日々が続き、やっと今日実現できる!と思い、加藤さんに連絡したら「僕は今日は延岡です」とのお返事。

でもやっぱり行ってみたい。

リスペクトしている加藤さんに会えなくても、ここくのある土地や空気、そしてお店の商品やスタッフのお話、色々感じてなにか学んできたい、と思って行くことにしました。

ここ鹿児島県鹿屋市から、ここくさんのある宮崎県清武町まで車で片道3時間弱。
もうすぐ到着するというナビ、広がる風景はこんな感じでした。


昔から佇むような橋と緩やかに流れる川、遠くに見える山々


昔からあるような道路の両側に古い家が立ち並ぶ小さな集落に、ここくさんはありました

出迎えてくれた笑顔の素敵な女性に「小豆計画の山下です」と言うと、「ああ!!」と言って奥に向かって「あの小さい小豆の人が来たよ!」と叫んで、もう一人の女性を呼んでくださいました。オーガニックフェスタかごしまで加藤さんと一緒に店頭にいた女性でした。

お二人とも、笑顔が本当に素敵

とても素敵なお二人の笑顔だったので、この瞬間を写真で切り取って記録に残したいと思いました。
会ってすぐなのに、写真撮影をお願いしてしまいました。
お仕事を誇りに思って楽しんでいる、それが滲み出るような素敵な笑顔でした。


想いのこもった商品がたくさん

狭いながらもセンスある店内。さすがです。
(加藤さんはデザイナーでもあります)

たくさんお話を伺いました。


味噌づくり中でした

厨房も素敵な空間で、昔ながらの道具類を大切に飾ってあり、羨ましくなりました。

たくさんお話を聞かせていただきました。
抱えるご苦労や手繰り寄せられるご縁にも、たくさん共感しました。
大豆や麦の脱穀や選別もやはりとても大変だということ。
近所に船を持っている人がいた縁で、その船に乗って黒潮の流れる沖まで海水を汲みに行ってそれで塩をつくることまで可能になったこと。塩づくりに近所の方が携わってくれていること。
近所に創業80年の醸造所があった縁で、麹もつくることができたこと。
でも今年の秋まで雨が多かったために塩がたくさんつくれず、そのため味噌づくりにも影響が出てしまったこと。

その土地に昔から繋がれてきた在来種の種を分けていただき、その土地で自然栽培して収穫し、選別し、地元の人々との運命的な縁があって、協力があって、味噌や塩や醤油などの加工品になっていくその過程。

本当に素敵です。

加藤さんがここまでこだわって塩までつくるのなら、私も自分でサトウキビ生産からの粗糖作りを真剣に考えないといけないな、とも思ってしまいました。

この次は加藤さんのいらっしゃるときにまたきますね、と約束して気になる商品を全て買って帰りました。


ここくさんの商品は、どれも愛が滲み出ています。

買ってきた商品を改めて自宅で並べて見てみました。
ものの作り手がデザイナー自身だと、こんなにも作り手が伝えたいことが商品から滲み出てくるものなのか、とまざまざと実感させられました。

そしてちょっと舐めてみた塩にびっくりしました。


まるで雪のような、ここくさんの塩『沖の潮』

なんとこれまで食べてきたどの塩よりも、甘かったのです。
塩が甘い?びっくりして何度も舐めました。
こんなに柔らかくて甘くて、澄んだ旨みのある味わいの塩は初めての経験です。
あまりに美味しいので、何回も何回も舐めていました。
今も舐めながらこれを書いています。
何度舐めても甘みのある塩でした。

黒潮の流れる沖まで汲みに行った海水からつくった塩は、格別な味わいの特別な塩なのでした。

たくさんの学びと刺激を頂いた、ここくさん訪問でした。
ここくの皆さん、ありがとうございます。

2023年 12月 18日 Blog | クラウドファンディング活動報告