綺麗な小豆ができるまででは、小豆が収穫されてからいくつもの選別の工程があることを書きました。
かごしまんまスタッフだけでは手選別に限界が来ていました。
でも小豆の選別機はどれも数百万円から1千万円クラス。とても買えません。
再びクラファン挑戦するのも無謀な話です。
限界になりつつある小豆の選別問題に頭を抱えていると、小豆生産をしてくださっている窪田福祉会さんの施設長さんが、提案してくださいました。
「小豆の選別、うちの利用者さんにやってもらうのはいかがでしょうか」
窪田福祉会さんは同じ鹿屋市で【笑いの園】という就労継続支援B型事業所を運営されています。
身体に軽い障がいがある20歳以上の方を受け入れています。
みんなで楽しく簡単な作業をして手作りのお昼ご飯を食べてお給料も少し頂ける、そんな空間でした。
その利用者さんの作業として、小豆の選別をお願いしてみることになりました。
実際にやって頂くと、私たちかごしまんまスタッフよりもめちゃめちゃ早いんですよ。
40kgから50kgの量の小豆選別を数日で終わらせてしまいます。
そこで窪田福祉会さんの経営する【笑いの園】を取材してみることにしました。
笑いの園は、同じ鹿屋市内でも西の端っこで海の見える高台にありました。
すぐ近くには鹿屋体育大学があります。
海の向こうには薩摩半島と開聞岳がうっすらと見えてとても良い眺めでした
「利用者さんのランチに使用する野菜は、全てこの海の見える畑で無農薬で作っているんですよ」と教えてくださいました
笑いの園。売店やタルト工房、レストランも併設。
作業室に招かれて入室すると、なんと約20人の方々がいっせいにかのや姫小豆の選別をしているではありませんか!
たくさんの方々が、かのや姫小豆の選別をしてくださってました
昨晩の達成の感動で、涙腺がまだ緩い私に、この光景が飛び込んできたんですよ。
そりゃ、泣いちゃいましたよ!!
こんなにも多くの方々が、小豆計画に関わって頑張ってくれているんだ・・・。
たくさんの人の手を経て、綺麗な小豆になっていく。
選別が終わって綺麗になって納品された小豆からは、これを想像できなかった自分を恥じました。
「まず私がこの荒い目のザルで第一段階目の粒径選別するのよ」
「第一選別したものを。今度は私たちが目の細かいザルで第二選別するのよ」
第二次選別を通過した小豆を、丁寧に目と手で選別していきます
一つ一つ、丁寧に選別されていました
真剣に、でもなんだか楽しそうに作業されているのを見て感動しました。
利用者さんの中には、私の母と同じ『手術して股関節にボルトを入れている』という方が数人いらして、とても充実して楽しそうな顔をしていました。
(あまりに良い雰囲気だったので、いつも一人で家にいる私の母にも体験してもらいたくなり、帰り際にパンフレットをいただいてきて母に渡しました。母は早速電話して見学申し込みをしたようでした。)
施設長の窪田伸一さんとスタッフさん。お二人とも底抜けに優しくて明るい。
「障がいを持つ方は悩みを抱えていたり自分で車を運転して移動できなかったりする人が多いんです。この地に笑いの園を建てることを決めたのは利用者さんに、海を見ながら楽しい気持ちでここを利用していただきたいから。辺鄙な土地によく建てるね、と言われましたが、利用者さんが送迎バスでここに来て、少しでもリフレッシュしたり楽しんでもらえたら、と思ってここにしました」
想いを語ってくださった窪田さん。
とても良い表情をしていました。
スタッフの方々も利用者さんもみんなイキイキとしていて、とても居心地良い空間でした。
いつの間にか、小豆選別への悩みや新たな選別機が欲しいという気持ちや焦りは消え去っていました。
こういう就労支援施設などに選別作業をお願いするのも小さな地域経済活動になる、と思いました。
窪田さんの想いに触れて、小豆計画を見つめ返せました。
笑いの園の皆さん、今日はかけがえのない時間をほんとうにありがとうございました。
そしてこれからもどうぞよろしくお願いします!!