地方都市の、切望する未来のために

まずはお礼を申し上げます。
皆様のご支援により、目標の60%を達成しました。
本当に本当に感謝しかありません。
ありがとうございます!!!!
残り25日です。応援を胸に、もっともっと頑張って参ります!!!

今回はちょっと難しい話です。すみません。

ここ20年くらいのあいだに、地方都市はどこへ行っても既視感すら感じるほど同じような風景になってしまいました。
大型ショッピングモール、ファストファッション店、ドライブスルー併設のファーストフード、ファミレス、コンビニ、大型電気店、大型書店、大型紳士服店、大型酒販店、大型スーパー、ディスカウント店、全国展開のお菓子屋さん、100円ショップ・・・。
ここ30年くらいの間でどこの地方都市の郊外の主幹道路に、こういった店舗が大型駐車場完備で同じように立ち並ぶようになりました。

同時にひっそりと、でも急速に消えていっていったのは昔からそこにあった小さな個人店。
個人店は大きな駐車場を持たず、お客と1対1のお互いに顔や様子がわかる、その土地に根付いた商売をしていました。

しかし新しくて華やかで便利なものに惹かれるように、人々は全国展開の大型店舗に通うようになりました。
個人店が立ち並ぶ商店街の多くは、みるみるうちにシャッター街になっていきました。

日本の景気もここ20年間ずっと下り坂で、消費税はじめ色々な税金も年々上がっていき、コロナ禍や物価高が追い打ちをかけ、人々の可処分所得が減り、便利で安価なものが主流になっていきました。
スマホの普及で情報や娯楽の多くが無料でスマホひとつですむようになり、電車の中で雑誌や新聞を読む人が消えました。
そうして雑誌がどんどん休刊に追い込まれ、新聞部数も急速に減りました。
世の中が不景気になるにつれて洋服のデザイナーズブランドの多くも消えました。
すると今度は、商店街をシャッター街にした原因であるデパートやスーパーが次々と地方都市から閉店していきました。

地方都市は今、シャッター商店街と廃墟のような大型店舗跡地が目立ち始めています。
個人商店街が活き活きとしていた一昔前なら、高齢者もなんとか地元で買い物ができていました。
しかしながら現在は、車を運転できない高齢者の買物困難問題が全国の地方都市の喫緊の課題となりつつあります。

これは、国が高度成長期に定めた都市計画法にも原因があるように思います。
都市計画法は用途地域の区分で、各地域の一番便利なところに『商業地域』や『近隣商業地域』という地域を指定しました。周囲の住民が銀行や飲食店に行ったり日用品などの買い物をする地域です。
なので駅前や街の中心部に『商店街』が形成されたのです。

しかしこの都市計画法は昭和43年に制定されたもの。
当時の高度経済期かつベビーブームな光り輝く日本と、大不況と高齢化社会まっしぐらな現在の日本とではあまりに状況が違います。
街の中心部や駅前は、高齢者にとっても便利なところ。そこがシャッター街になって、しかも後から進出してきた大型スーパーやデパートも撤退されて、一番便利なものがどんどん郊外にシフトしてしまった地方都市の衰退化を、今ここで踏ん張って食い止めてなんとか流れを変えていかないと取り返しのつかない未来が私達を待っています。

便利なものは、車を使うかネットショッピングでしか手に入らない地方都市。
地方都市には電車がないところも多く、頼りのバス会社も経営難と人手不足に直面しています。
車の運転やネットが使えない高齢者は、地方都市で生きていくのが困難になりつつあります。

実はここ鹿屋市も、街の中心部にあった唯一のデパートが閉店して、大きな店舗と大型駐車場がまるごと廃墟のようになって、風景を暗く変えてしまいました。

誰もがいずれ必ず高齢者になります。
歩いて買い物ができる昔ながらのお店や商店街の意義や価値を再確認すべきではないでしょうか。
地元のお店の魅力を再認識したり新しい魅力をUPしたりして地元経済を積極的に回すことこそが、持続可能な地域社会への第一歩だと思うのです。

実は農業も同じ構造です。
昔は地産地消が当たり前で、もっというと交通網が発達していない時代の地方都市は、おそらくどこも食料自給率100%だったのではないでしょうか。
でもどんどん大型農業に集約されてしまって、価格競争で輸入農産物に急速に切り替わっていきました。
いざ供給国が戦争や大災害に見舞われると原料クライシスに即陥ってしまう脆弱な国が日本だということ、もっというと日本自体が戦争に参加するようになれば飢餓がすぐ迫るのだということを、私たちはウクライナ戦争でまざまざと思い知らされました。
小さな地元の農業の意義を再確認し維持していくことが重要で、それが日本の食料自給率UPにつながり、いざという時の日本の命綱にもなります。

・・・もはや活動報告とは全くかけ離れていますね。
すみません!!

大型店や大規模農業や輸入品は便利で安価なので、ついつい私たちはそちらを利用しがち。
でもそれらは利益が出ないと即撤退していきます。
シャッター街と大型店舗の跡地と耕作放棄地が増えていく地元の未来。
そうなる前に、私たちは地元経済の持続化を真剣に考えていくべきだと思うのです。
地元で繋がれてきた小さな小豆に『かのや』を名前の一部にしたのは、そういう想いを込めています。

なんなら小豆だけでなく、小麦も、大豆も、蕎麦も、ごまも、そのほかの雑穀も、地元の農産物でつくった昔ながらの加工物が地元の経済をまわし、その地域の魅力を彩り特色づけていく。
そういう活動が全国各地で広まれば、地方都市が持続可能な経済になっていくのではないかと本気で思っています。

それが私の、切望する地方都市の未来です。
地元鹿児島のお店で、かのや姫小豆や鹿屋産農産物のお菓子やパンや惣菜が当たり前のように買える未来。
元気な鹿児島。元気な鹿屋市。
いずれ必ずやってくる超高齢化社会も、地方都市の経済が明るい未来であることを切望しています。

・・・話はちょっと脱線気味に拡がっちゃいますが、各地域の学校給食や病院食や介護施設などの団体食の材料を、もっと地元産オーガニックなものへと推進すれば、食料自給率や有機農業へのシフト化が革新的に進むことがわかっています。
ヨーロッパや韓国の給食のオーガニック化や千葉県いすみ市をはじめとした全国各地の給食のオーガニック化でどんどん実践されてそれが証明されてきています。
でもそれには給食や団体食への無償化や補助が欠かせません。
国や地方自治体が本腰入れて取り組まないとできません。

食料自給率UPと有機農業率UPは、どの事例も給食の無償化がセットになってはじめて成立していっております。
なので小豆計画は鹿屋市の給食のオーガニック化運動にも積極的に参加しています。
鹿屋市の給食がオーガニック化へとシフトすれば、ここ大隅半島の農業はガラリと変化することでしょう。
(鹿屋市の学校給食に、かのや姫小豆のお赤飯が出たらどんなにか幸せな出来事になるだろーなー)

有機農業は地球温暖化への食い止めにも役に立つと言われていますが、こういう話をしていると私は止まらなくなるので、ここでは割愛します。

偉そうに理想論を振りかざしてしまいました・・・・。
しかしそんなこと言う前に・・・・・小豆計画が本当に本当に今まさに大ピーンチです!!!!!

今日、生産者さんのお一人から報告を受けました。
「1町1反ほど栽培してほぼ全部うまくいったので、今年は1800kgできそうです!」
わあすごい!・・・ということはえーと、900円/kgだとして160万円が必要ですね!!!涙!!!
まさに文字通り嬉しい悲鳴ですが、なんとしてもこのクラファン挑戦を絶対に成功させねばなりません。

どうか変わらぬ応援と、そしてできれば周囲にお知らせして拡散もお願い頂けないでしょうか。
無理を承知で、この無謀な大馬鹿者にご支援を、どうかお願いします!!!
ご支援を裏切ることなく、必ずやり遂げます!!

株式会社かごしまんま
山下理江

2024年 1月 7日 Blog | クラウドファンディング活動報告