12年間、探し続けてきたもの

かごしまんまは2011年12月に、九州産の安心安全な日常食材と野菜のインターネット通販として設立した会社です。
それから私はずっと12年間『九州産』に特化して、なるべく添加物や農薬をなるべく使わない日常食材と野菜を探してかごしまんまの取扱商品にし続けてきました。

『九州産』と『なるべく添加物や農薬を使わないもの』にこだわっていくと、それまで見えなかったもの浮き彫りになりました。

それは、加工品の原材料表示を見ても、消費者が知りたい情報が書かれていないこと。

例えば、化学調味料に関する表示。
化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)とは書かれず、『アミノ酸』と記載されているだけです。
知らない人は人間の身体を構成するアミノ酸と同じイメージを持ってしまいます。

例えば、遺伝子組み換え原料に関する表示。
主原料が遺伝子組み換えでないものであっても、副原料や二次原料には遺伝子組み換え由来の原料がたくさんあること。それゆえ日本は世界一の遺伝子組み換え消費大国であること。

例えば、納豆やふりかけ。
主原料が九州産の大豆や鰹節であっても、そのタレや調味料に使用する醤油を調べると、原材料である大豆のほとんどが『遺伝子組み換え不分別』つまり『遺伝子組み換えである』でした。

例えばポテトチップスなどのお菓子。
主原料が国産じゃが芋であっても、植物油の原料を調べると遺伝子組み換え作物です。

つまり、子供達が大好きな納豆のタレやふりかけやお菓子のほとんどに、遺伝子組み換え原料が使われています。

これは商品のどこにも表示されてはおらず、消費者は知ることができません。

日本では、二次原料や三次原料に使用する遺伝子組み換え原料の遺伝子組み換えであるかどうかの表示は不要で、さらになぜか醤油や油の原料が遺伝子組み換え原料であるか否かを記載しないでよい、というルールがあります。
醤油や油になると、最新の技術によっても遺伝子組み換え遺伝子が検出できないから、だそうです。

『日本では』と記載したのは、他の国々では記載の義務があるところが多いからです。
もっと言うと、諸外国では遺伝子組み換え原料に対して厳しい規制をしているところが多く、逆に日本では表示法が改定されるたびにどんどん消費者にわかりにくくしていっています。
現在では『遺伝子組み換えではない』の表示は『分別生産流通管理済み』という表示に切り替わりました。
もう何を意味しているのか、わからないですね。
そもそも二次原料は何を使っているのか表示もないのでわかりません。

しかし取引の際、メーカーに依頼すると出してくれる『商品規格書』には商品の二次原料・三次原料まで産地や遺伝子組み換え原料か否かが詳細に記載されています。
これこそ、消費者が本当に知りたい情報なのではないでしょうか。

なので一昨年前まではかごしまんまの商品ページには、メーカー協力のもと原材料表示を二次原料まで遺伝子組み換え有無の記載や産地記載をしていました。
当時は日本一原材料表示が詳しい通販と自負していました。

しかし国の表示法の度重なる改定に、それを廃止せざるを得ませんでした。

食の安全を考えると、無添加、無農薬をとことん追求することになります。
でも完全無添加食材や完全無農薬野菜だけを集めたお店づくりをすると、日常的な食材や野菜がほとんど消えてしまいます。
そして非常に高額な商品ばかりになってしまいます。

そうではなく、『完全な無添加無農薬ではないけれど、かごしまんまなら比較的安心な日常野菜や日常食材のほとんどがワンストップで揃うよね』を目指しました。


九州産原料の商品


アミノ酸不使用(化学調味料不使用)の商品の数々

野菜もなるべく農薬を使わないものを揃えます

地元中心の有機野菜の数々(鹿児島ではつくられないレンコンは佐賀産)


やごろう豚は甘みと旨みが美味しい豚肉です

全飼育期間において抗生物質・合成抗菌剤を使用していない『南国元気鶏』や、亜硝酸塩やアミノ酸(化学調味料)を使わない無塩せきウインナーを、12年かけて少しづつ商品に揃えてきました。


九州産の無添加や無塩せきのウインナー


パン類やシュトーレンは全て九州産小麦100%

輸入小麦だとグリホサートなどの残留農薬が心配なパンやシュトーレンも、『九州産小麦、九州産バター、九州産牛乳使用』のかごしまんまオリジナルパンとして鹿屋市内のパン屋さんに毎回つくってもらっています。

これは、かごしまんまシュトーレンの原材料表示です↓

10年間ずっと大人気、シュトーレンの材料。できる限り九州産原料・無添加で作り上げます

クリスマスの手作りケーキセットも10年間、変わらぬ人気です。
かごしまんまでは野菜や色々な食材と共にケーキを同梱しなければならないため、クリスマスケーキは『手作りケーキセット』として、ご自宅でケーキづくりを楽しんでいただけるように、スポンジケーキと生クリームとイチゴのセットにして販売しています。
もちろんスポンジケーキは九州産小麦でつくります。
しかも自然栽培の小麦です。


完成形のクリスマスケーキは冷蔵便だと崩れてしまって送れないため、手作りキットとして12年間販売しています

普通のスポンジケーキよりやや色が濃いのは、粗糖を使っているから。
上白糖は精製時に加工助剤を使用するので、かごしまんまのオリジナル加工品には粗糖を使用するようにしています。
生クリームがバカでかいといつも言われますが、九州産の無添加生クリームは、業務用1Lタイプしかないんです。
ケーキ作りで余った生クリームはアイスクリーム作りや冷凍ホイップにして楽しむお客さんが多いです。

他にも色々な商品がありますが、紹介しきれません。
これらを商品ラインナップにしてきた10年間でしたが、どうしても欲しいのに商品化が叶えられなかったものがありました。

それが『九州産小豆のあんぱん』でした。

調べてみると、日本国内での小豆生産は90%以上が北海道産。
九州では小豆生産が熊本や大分でごく少量しかなく、市場にはほとんど出回っていません。

パン屋さんの不動のレギュラーであるあんぱん。
子供からお年寄りまで、流行関係なく日本人に愛されるあんこ。
九州産小豆と九州産小麦のあんぱんを実現させたい。
でも九州産小豆がない。
九州産の小豆がないなら生産するしかない。
どうせやるなら農薬を使わない小豆を生産したい。
その小豆でつくるあんこも、どうせなら無添加で安心なあんこにしたい。
九州産、無添加、無農薬を目指して通販を長年運営していくなかで、強く思うようになっていきました。

その後のいきさつは、概要のとおりです。

今年はいよいよ2回目の収穫期を迎えます。
製餡所に機械類も導入し、自分の思い描く粒あんが作れるようにもなりました。

そしてずっとずっと夢だったオール九州産原料のあんぱんが、完成しました。


九州産小豆の粒あんを九州産小麦の生地で包んだ、九州産づくしのあんぱん

何回も何回もパン工房マロンさんが試作して作り上げたオリジナルあんぱん。
初めてこのあんぱんを食べた時には涙が出ました。
ただ『九州産』というだけでなく、ちゃんと『美味しい!!安心!!』という完成形にしてくださったマロンさん。

あのときの、感動は忘れません。
そして12年心待ちにしてくださっていた、かごしまんまのお客さんにもただただ感謝です。

2023年 12月 24日 Blog | クラウドファンディング活動報告